8月15日を前に、戦争について子どもにどう伝えるかを考えてみる

 

 

 

 

 

2022年2月にロシアがウクライナに侵攻してからすでに1年以上がたちました。

戦闘が始まった頃は、この先世界情勢はどうなるのだろうかと思い、コロナ禍もまだ終息していないのに、また不安なことが始まってしまったと思ったものです。

そうこうしているうちに、私たち一般市民は日々の生活に流されていって、気が付くと1年以上もたってしまっていました。

最近の私の感想はこんな感じです。

知らないところでは国同士やボランティアのいろんな援助や働きかけがあって、情勢は変化しているのでしょうけれど、ニュースをチェックする程度で何の力にもなることができないのが正直なところです。

 

 

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親の世代も私も戦争を経験していません

 

このロシアとウクライナの戦争が始まって最初に思ったのは、自分も自分の親も戦争を経験していないな、ということでした。

学校で習ったし本も読んだし、広島も長崎も沖縄も、戦争関連の地は訪れたことがあります。

でも、現実に自分自身が戦争というものを経験していないし、親世代だって、私の親の年齢だと戦争を経験していないのです。

もちろん、経験しないに越したことはありません。
戦争はない方がいいので、戦争はいけないことだと伝えることは必要です。
そう思ってはいますが、経験していなことを伝えるというのは、とても難しいことだとも感じます。

経験していることを伝えるのだって、なかなか難しいことですよね。
では、どうやって下の世代に戦争について伝えていけばいいのでしょう。

戦争はいけないことだ、と話していくことは当然大切ですが、知らない世代からすると漠然とした話に聞こえるかもしれません。

この頃は、戦争に結びつけることだけではなく、日ごろから、身近なところからの教育が大切なのではないかと思うことがあります。

例えば、子ども同士おもちゃの取り合いなど身近にも争いの種はたくさん落ちています。
そんな時に「取られたら取り返せ」と子どもに言っている親御さんも見かけます。
気持ちはわかるんです(笑)
でも、そうした小さなことからいつだって争いはうまれるのではないか、と。

私ならどう子どもに伝えるかと考えた時に、やはり、無駄に終わるかもしれないけれど話し合うということだろうと思うのです。
「返してと言ってみなさい。それでも返してくれなかったら、次に貸してねと言ってごらん」
これが、正解だとは思っていません。
交渉は決裂するかもしれません。
でも、黙って物を取り返したりするのではなく、言葉で伝えてみる、小さな頃からそれをやらせてみる、こういうことが大事なのかなと思います。

争いはどんな時でもいいことではないと、辛抱強く伝えていく、これが戦争を知らない私に出来ることのひとつかもしれません。

 

今日の絵本『ひろしまの満月』

 

8月に入ると、テレビでも新聞でも第二次世界大戦について特集があります。
6日には広島に、9日には長崎に落とされた原爆のこと。
沖縄での地上戦。
その他にも東京大空襲や特攻隊のこと。
そして、8月15日、終戦の日。

いろいろな体験談や残っている映像など、今の日本からは想像も出来ないようなことが実際にあったのが戦争です。

『ひろしまの満月』は、1945年8月6日に広島に原爆が落とされた時のことを、長生きの、かつて「まめ」と呼ばれていたかめが思い出して、数十年後に出会ったかえでちゃんという子に伝えるお話です。

戦争のお話ではありますが、「まめ」のかめらしいゆったりとした雰囲気と、平和への祈りを込めた語りが心に残ります。

あまり、極端な戦争に対する描写がないので、まずは戦争について考える、はじめの一歩として小さい子にも手にとってもらいやすい絵本だと思います。

 

本やメディア、何でもいいから関心を持つということが大事

 

 

 

日本における直近の戦争は第二次世界大戦ですが、世界を見渡してみれば内戦を含め、今でも戦争をしている国はあります。

直接かかわっていないとしても、戦争は結果として世界に暗い影を落とします。

物資の問題や、経済の問題、人種の問題などいろいろな複雑なことがからみあって、私たちは戦争をしていないのに、間接的に戦争に巻き込まれているのかもしれません。

当事者目線で物事を考えるのは大人でもなかなか難しいですが、何事も関心を持って世の中のことをみるということが大事だと思います。

戦争のことを直に伝えることはもちろん大事ですが、世界のたくさんの出来事に少しでも関心を持つということ、まずはそのことから子どもに伝えていきたいなと考えています。
親の考え方を伝えていくのも、先々では戦争について考える基礎になると信じて。

思春期の子どもに、本や映画を勧めても真面目にとりあってくれなかったり、他のことにばかり関心をむけたりするかもしれませんが、かつて、母が言っていたなと思い出してくれることを願って、折に触れて戦争について話す機会を持ちたいと思います。