9月1日という日に読みたい本。大人みんなに読んでもらいたい。

 

夏休みが終わります。

ほとんどの学校では9月から新学期。

 

この時期、必ず話題に上がるのが「学校へ行きなくない」子ども向けに出される著名人からのメッセージ。

見かけると私もつい読んでしまいます。

我が家の子どもも1年生の夏休みが終わった2学期はじめに登校渋りをしたという経験があるので、この時期はやはり毎年ナーバスな気持ちになります。

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幸い、不登校などにはならず今にいたりますが、まだまだ続く学校生活のことを思うと親としては心配がつきません。

 

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学校は休んでもいいと思いながらも、親は悩みます

 

自分の子どもの頃を思い返してみても、学校へ行くのが楽しみで楽しみで、という気持ちになったことはありませんでした。

 

運動会も嫌いだったし、仲良くもない子たちとグループになって修学旅行とか憂鬱でしたし、誰かの悪口を聞かされるのも嫌でした。

勉強は嫌いじゃないけど、それ以外のことに心を割かないといけない狭い世界が窮屈で、高校生になってやっと、同じような価値観の友達ができて気が楽になりました。

 

私も不登校とまではいきませんが、中学生の時は行きたくなくて何度かずる休みをしたこともあります。

部活もサボったし、委員会の部屋が唯一の逃げ場に感じて休み時間をそこで過ごすことが多かった時も。

 

当時も不登校の子はいただろうけれど、今ほどメディアに取り上げられることもなく、親もあまり情報がなくて、とにかく学校へ行かせようとしたり叱ったりしていた時代でした。

 

子どもが学校へ行くのは当たり前。

行かないのは怠けているからだ。

そんな風潮もあったかもしれません。

 

私も、行きたくなかったら学校なんか行かなくてもいい、そう思います。

命の危険を感じてまで、行くところではない。

我が家の子どもにも、少し休んでもいいよと言ったりしていました。

 

でも心配は心配です。

学校へ行けなくてこの子は将来大丈夫なのか、と。

考えすぎとは思っても、このまま不登校になって、自分たち親がこの世を去った後は?

というところまで考えて悩んだりしました。

 

思っていることとは裏腹に、覚悟は決まっていなかったんですね。

自分だってそれほど行きたい場所じゃなかったのに、と思いながら、行かなくていいよと言いながら、どうやったら登校渋りから抜け出せるのだろうと日々悶々としていた当時。

 

子どもが泣きながら登校した後、それはそれはいろんなことを調べました。

 

今日の本『「みんなの学校」が教えてくれたこと』

 

 

2015年2月、全国で公開されて大ヒットしたドキュメンタリー映画があります。

『みんなの学校』という、実在する公立小、大空小学校を舞台にしたお話。

その大空小学校の初代校長先生だった木村泰子先生のはじめての著作です。

 

「自分がされていやなことは人にしない」という校則が1つあるだけ。

障害がある子もない子も、どんな境遇の子も同じ教室で学んでいます。

不登校児はゼロ。

この学校には子どもたちの居場所がきちんとあるんですね。

その大空小学校でのお話に、とても感銘を受けました。

 

学校へ行かなくたっていいと思うけれど、こんな学校だったら行きたくなるかもしれません。

いろんな子がいて、いろんな大人とも交流して、それぞれの学びと成長がある、子ども自身が受けとめてもらえていると感じられる環境。

教育に携わっている大人だけでなく、いろんな立場の人にぜひ読んでもらいたい1冊です。

 

映画の上映スケジュールはこちら。

みんなの学校 上映会のご案内

 

 

学校へ行きたくなければ行かなくてもいい、から先のこと

 

 

我が家は私も子どもも、わからないことにワクワクするよりも不安を感じるタイプの性格。

どんなことなのか知っていれば、案外すんなり受け入れられることもたくさんあります。

 

そこでやみくもに不安になったりせず、いろいろなことを調べたことは私にとって良かったようです。

例えば、

・学校へ行けなくなったらどこへ相談すればいいか

・地域や通える範囲にフリースクールはあるのか

・不登校になった子どもと、平日をどうやって過ごしたらいいのか

・登校渋りの子どもへの声かけ

・参考になる本や体験談

 

など、親や当事者の気持ちを記したブログや、公的な機関のHP、フリースクールについての記事など、たくさんの情報に触れました。

 

そこでわかったのは、不登校になったところで終わり、ではないということです。

はじめは子ども本人も親も、人生終わったくらいの気持ちになるかもしれません。

でも先はまだまだ長く、人生は続きます。

 

子ども本人が周りの大人の話を聞き入れる気持ちに落ち着いたら、学校以外の居場所探しをするといいのではないかと思いました。

どこでもいいんです。

 

塾や習い事に行けているなら、そこでもいい。

フリースクールや地域の適応教室など、行けそうならそういうところでもいい。

この先どういう道を選ぶにしても、先の選択肢を狭めないような環境を出来る範囲で目指す。

だから学校へ行かなくても毎日勉強はする、出来るだけ規則正しい生活を心がけさせるなども大切です。

「学校へ行かない」だけで「毎日の当たり前の生活」は変わらないのですから。

 

不登校になったからといって、外へ出るなということではないということも、いろんな情報に触れて理解しました。

もし学校へ行けなくなっても大丈夫。

どうにか学校へ行けるように頑張るより、目先を変えて他の居場所探しをすればいいし、考えがまとまるまでは、好きな事だけをしていてもいい、とにかく「行けなくなった」それだけを考えて悩んで毎日を過ごすのはやめようと、私は考えています。

居場所は今通っている学校だけじゃないのです。