午前授業で帰ってくる日があったので、なんだろうと思い予定表を見てみると、その日は子どもが通う学校の就学時健診でした。
小学校に入学する前に行う健診ですね。
当時我が家の子どもも、幼稚園を早退させて連れて行きました。
地元なので夫はよく知っている小学校ですが、私ははじめて訪れる場所。
今ではそんなこともあったなあという感じですが、思い返してみると当日は不安いっぱいでした。
子どもだけではなく、親の私も。
事前に学校の場所を確認しておき、どきどきしながら行ったのを覚えています。
初めての子どもだから、どんな場面も初めての経験です
我が家は一人っ子でもあるので、親にとっては何でも初めての経験にして最後の経験。
兄弟姉妹がいればその人数分の経験を親はするわけですが、我が家の場合は親子とも何もかもが初めてになります。
幼稚園を越境して通っていたので、同じ幼稚園から一緒に入学する子はゼロ。
同じ学校に通うことになるママ友もおらず、どんな流れで健診が進められるのかなど知らない事だらけ。
親の私も不安にはなりました。
でも、子どもが一番不安なのだと思い極力「就学時健診なんか大したことないよ~」と言い聞かせ。
子どもの学校では6年生の子たちが一人ずつ入学前の子を担当していて、親が学校からの説明を受けている間に、健診に連れて行ってくれるシステムでした。
果たして泣かずに健診を受けてこられるだろうかと心配していましたが、あえて笑顔で送り出しました。
行くときは不安そうな顔をしていた我が子でしたが、健診後もお姉さんとお絵かきをしたり遊んだりしてもらったようです。
折ってもらった折り紙をもって楽しげに帰ってきたのでとてもほっとしたのを覚えています。
今日の絵本「一年生になるんだもん」
角野栄子 文 大島妙子 絵 文化出版局
お話は小学校入学前のさっちゃんの誕生日から始まります。
ある日、入学前の健診に来てくださいというお手紙が届いて、さっちゃんはお母さんと一緒に出掛けます。
一年生になる準備をしたり、おじいちゃんおばあちゃんからランドセルが届いたりと入学式までの様子がこまやかに描かれています。
新しい環境に進むドキドキわくわくする気持ちを、明るく楽しげなさっちゃんとともに感じられる絵本です。
子どもが不安になりがちなネガティブな表現がないのも、この絵本の秀逸なところです。
幼稚園入園時には効いていた魔法も、年長になったら効き目なし(笑)
この絵本の前に、幼稚園入園前によく読み聞かせていた「ようちえんにいくんだもん」という絵本もあります。
同じ角野栄子さん作で、絵が佐古百美さん。出版社も同じです。
新しい場所に慣れるのに少し時間のかかる子だったのと、ママっ子なので幼稚園に行かないと言い出しそうだったので、どんなに幼稚園は楽しいかと、言い聞かせるようによく読みました。
それが功を奏したのかはわかりませんが、幼稚園には登園しぶりなどもなく楽しく3年間通いました。
我が子の性格から考えると、魔法がかかったかのようです。
でも、子どもも成長しているので同じ手法は効きません。
なんとか小学校は楽しいところだよ、ということを知ってもらいたいと思って同じシリーズのものを何度か読み聞かせましたが、1年生の夏休み明けに登校しぶりに。
絵本を読んで聞かせても聞かせなくても登校しぶりはあったのかもしれません。
1学期はしぶることなく行けていたのですし。
ただ、子ども自身の現実と、絵本の中のこととは別なんだと本人も気づけるだけ成長していたのでしょう。
絵本の雰囲気のまま信じて幼稚園に通っていたころとは違うんだなあと、はっとさせられました。
それでも何もわからないままよりは、絵本でなんとなく小学校生活を知っておけるので読み書かせたことは無駄ではなかったと思います。
その後なぜか学年が上がってから、「一年生になるんだもん」を出してきて一人で読んでいました。
私もこの時期懐かしく思い出すように、子どもも懐かしくなって改めて読んでみようという気になったのかもしれませんね。