子どもが数年前に使っていた教材を処分しようかと思いよせておきました。
それを学校から帰った子どもが懐かしそうにめくりながら、思い出したように言いました。
「いくつといくつの意味がわからなかったよね~」
1年生のはじめ、算数で「6」は「2」といくつ?という問題の意味がわからなかった子ども。
幼児から習い事に行っていたところでは何個と何個という聞き方だったので、大人なら普通に同じ意味だとわかる「いくつ」という言葉を聞きなれてなかったのでした。
簡単な計算は出来ていたので、当時は私もわからないはずがないと思い込み、「どうしてわからないの?」としつこく言ってしまって、子どもには申し訳ないと今は思います。
それだけ、言われて嫌な気持ちになったから、記憶に残っていたのでしょうね(^^;)
わからなかったのは、計算ではなくて「言葉」でした。
同じ事でもいろんな言い方があります。でも…
大人になった今、当たり前のように使っている言葉でも、最初は教えられないとわからないものだということをすっかり忘れていました。
先ほどの「いくつといくつ?」も、「何個と何個?」と聞き返したらきちんと子どもは答えられました。
そこで、はじめて「いくつ」という言葉を知らなかったんだと気づいたのです。
これ、私には衝撃的でした。
教えないと同じ言い回ししか理解できなくなりそう。
自然に覚えるってことは案外少ないんだ。
と、考えて反省。
わからないことが前提だとも思いました。
だから、たくさんの言葉に触れさせて表現力豊かになって欲しいとも。
様々な言い方で話しかけたり、本や絵本に触れさせたりすることで言葉は増えていくのだと思います。
要するに、母としてもいつも同じ言い回しで話しかけていたんだなあと思いました。
今日の絵本「てんとうむしのはじめてのレストラン」
さいとうしのぶ アリス館
てんとうむしが、おいしそうな匂いにつられてレストランに入っていくと、いろんな動物たちが食事をしています。
その中を、てんとうむしや他の「ほし」「いちご」「はな」などの絵を見つけていく探し絵をする絵本です。
動物たちが好きな物を食べながら、「からーい」「しょっぱい」「すっぱーい」など感想をいっていて、読んでいるとたくさんの言葉が耳にはいります。
読むところが少ないので、絵探しをしながら、食べ物について話をしたりコミュニケーションしながら読めます。
よくわからない時からでも、たくさん話しかけると言葉が増える!
私はままごと遊びをするのが苦手で、子どもの相手はもっぱら読み聞かせやパズルなどでした。
ままごとやごっこ遊びの相手は今も夫がしています(笑)
私自身も絵本が好きで、読書も好きで本を読んでいる方ではないかと思います。
子どもにもたくさん読んであげたつもりだったのですが、親の好みと子どもの好み、好きなタイプの絵本に偏りがちだったのかもしれません。
いろんな言い方や言葉を覚えるには、様々なタイプの絵本や親の話しかけが大切なんだと気づいた出来事が、「いくつ?」の時でした。
赤ちゃんの時から、わからないだろうと思っていてもたくさんの言葉がけをしてあげることは、絶対に無駄ではないと思います。
話しかける言葉について意識してみると、大人でもそんなにたくさんの言葉を使っていないことに気づきます。
子どもと一緒に表現力を磨くつもりで、絵本を活用してみることをおすすめします。